近年、看板の所有者等によって適切に維持管理されていない屋外広告物が落下する事故が発生しており、屋外広告物の安全性の確保がより一層求められています。
このような状況を受けて、2016年4月28日に国土交通省より「屋外広告物条令ガイドライン」の一部改正が発表されました。
改正のポイントは、
- 看板の所有者は、補修、撤去などの安全管理を怠らないようにし、
看板を良好な状態に保つ責務がある。 - 看板の所有者は、 屋外広告士などの有資格者に看板各部(後述「点検箇所」参照)の 劣化 及び 損傷の状況を点検させなければならない。
- 看板の所有者は、広告物設置の許可 更新等の申請を行う場合、
有資格者による点検結果を都道府県知事に提出しなければならない。
看板の点検評価は厳しくなっております。定期的な点検を行うことは、看板事故のリスクから所有者様を守ることになります。
看板所有者様のリスクを回避するための対策
2018年6月29日にNHK「時論公論」で取りあげられました屋外広告(看板)の維持管理について解説します。
屋外広告物の設置許可を受けた物件は、3年毎に有資格者が安全点検・調査を行い、その結果を各行政に報告し更新することが義務付けられております。
本来ならば、看板に手が届く位置で見て、外装で覆われている箇所は蓋を開けて内部を確認する必要があります。しかしながら、点検・調査方法は所有者まかせで、費用の比較的少なく済む目視点検が中心になっているのが現状です。
※有資格者 =
屋外広告士、一級建築士、ネオン工事士
(弊社では、屋外広告士で、かつ、一般社団法人 日本屋外広告業団体連合会が点検基準を平準化するために推奨している屋外広告物点検技能講習修了者が点検しております)
新宿区では首都直下地震被害を想定し、看板の調査を行いました。
調査時点で外壁・看板に損傷が確認できたもので355棟。これは全体の16パーセントにあたります。著しく損傷し、いつ落下してもおかしくない物件が23棟ありました。
2015年2月に発生しました「札幌かに本家」の看板一部落下事故では、所有者側の副店長に業務上過失傷害罪で有罪判決が言い渡されました。
私共からのアドバイス
所有者様の万一のリスクを回避するためには、定期的な「有資格者による点検、メンテナンス」が必要不可欠です。
看板の落下や倒壊事故にならないためにも、我々 有資格専門業者へお問い合わせください。
・屋外広告士 2名
・屋外広告物点検技能講習 修了者 3名
看板は設置した瞬間から劣化が始まっております。下の写真は、設置から24年経過した看板です。
外観は問題無いように見えましたが、内部を検査すると鉄部分がサビによる劣化で、手で触ってボロボロとれてしまう状況でした。
この状況では、強風が吹いた瞬間に耐力が無く、落下する可能性がありました。
点検評価レベル例
私共が所属する「一般社団法人 日本屋外広告業団体連合会」 及び 「公益社団法人 日本サイン協会」 では屋外広告物(看板)を下記4段階で評価しております。
- レベルA
異常がなく、何も処置をする必要がない - レベルB
異常は認められるが、現段階では処置をする必要はない。 - レベルC
異常が認められ、1~2年以内に改善処置をする必要がある。 - レベルD
危険を伴う異常が認められるので、即時に改善 または 撤去をしなければならない。
点検箇所別評価
ごく一部ではありますが、一般の方でもわかりやすい評価例を掲載いたします。お役立てください。
突出看板のチェックポイント
ポール看板のチェックポイント
壁面看板のチェックポイント
鉄骨の錆び、腐食、劣化、変形はないか。
配線、接続部、器具の劣化、発熱はないか。
汚れ、変色、ヒビ割れ、亀裂はないか。変形、脱落はないか。
錆び、劣化、腐食、変形はないか。固定するビスに欠損や緩みはないか。
取付金具の錆、腐食、劣化、変形はないか。ビスに欠損や緩みはないか。
錆び、腐食、劣化、変形、傾きはないか。
私共からのアドバイス
所有者様の万一のリスクを回避するためには、定期的な「有資格者による点検、メンテナンス」が必要不可欠です。
看板の落下や倒壊事故にならないためにも、我々 有資格専門業者へお問い合わせください。
・屋外広告士 2名
・屋外広告物点検技能講習 修了者 3名